イラスト|どんぐり拾い


 





















イラスト|どんぐり拾い

もうすぐ冬がやってくる。
フワフワとした白い毛をもつユキムカデは、積もった雪を隠れ蓑に近づいてきて、
森の実物を全て食べつくしてしまう。だから人間たちは冬になる前に食料をかきあつめ、
大きな木のうろを貯蔵庫にして、冬をやりすごす。

どんぐりはいい灯りになる。中身をくりぬいて食料にもできるし、殻は食器になったり、
楽器になったり、時々動物の赤ん坊のベッドにもなる。

少年は足元に落ちているどんぐりを拾い終わると、ヒンヤリとした風とカサコソという足音が
向こうからやってくるのを察知して、いちもくさんに来た道を戻った。