イラスト|本と絵

イラスト|本と絵
*「本と絵」とは…読書をして頭に浮かんだ絵を制作するシリーズです。
題名|婚礼、葬礼、その他
作家|津村記久子
内容|大学時代の友人結婚式に出席中、上司の親の通夜手伝いに呼び出されたОLヨシノ。二次会幹事とスピーチを相方に押し付け、喪服に着替えて急きょタクシーで葬儀場へ。既に大多数の社員が集まり、打ち合わせを重ねるなか、ヨシノを猛烈な空腹感が襲う。「マジマ部長の親父とやら、間が悪すぎる…もう一日ぐらいなんとかならなかったのか」ヨシノのてんやわんやな一日はまだまだ続く。芥川賞候補作。(文藝春秋BOOKS HPより)



































一日中婚礼、葬礼、その他のことに翻弄されていくコミカルなシーンの連続(てんやわんやという表現がぴったり!)の後に、すっと時が止まったように主人公が「死」について考える場面があり、そこからイメージした絵を制作。

生から死に向かうのは自然なことだけれど、飾り棚の奥にしまっていてなかなか取り出さないオブジェのように、普段は忘れてしまっていることの方が多い。婚礼や葬礼などの儀式は特別必要ではないとは思うけれど、しまいこんでいた「それ」を取り出して、あらためてみつめたり、磨いたり、大切にしようと思う良い機会なのかもしれない。