イラスト|本と絵「 占」

タイトルなし






























タイトルあり







































イラスト|本と絵
タイトル 占
作者   木内昇
出版   新潮社

男の本心が知りたくて始めた占い師巡りを止められない翻訳家。恋愛相談に適当に答えるうち人気の「千里眼」になってしまったカフェーの会計係。優越感を味わうため近所の家庭事情を双六盤に仕立てる主婦。自分の姿すら見えない暗闇の中で、一筋の希望を求める女たちの姿を「占い」によって鮮やかに照らし出す七つの名短篇。
新潮社HPより)



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全編おもしろかったのですが、特に印象的だった「山伏村の千里眼」の回を読んで思い浮かんだ絵を描きました。主人公の岩下杣子さんがいい味を出しているのです。
(もしドラマ化するなら江口のりこさんに演っていただきたいなと密かに思っています)
お話に出てくる「占いを信奉する人々」はすべからく皆今の状況に不満を持ち、周りを疑い、未来を不安に思っています。その人達を客観的に、外側から見られる、少し冷めてもいるけれど彼等に同情もしている視点がおもしろい。

遊園地のコーヒーカップの乗り物をご存知ですか?お話に出てくる占いに頼る人達が、私にはまるでくるくると、ひとつのことで悩み、苦しみ、自分で答えが出せないでいるせいで、同じところを永遠にまわっているように思えたので、コーヒーカップの乗り物に乗せてみました。杣子さんはカフェに勤めているので、それにもかけて。
自分ではない誰かに答えをもらえたら、それが正しい道なのだと教えてもらえたらどんなに楽だろう?と思うことってありますよね。占いってまさにそういうことだなと思います。ただ「占い沼」にいったんはまると抜け出すのは大変そう。。

今回は線画に色をつけてみました。線が強いので、さらっと仕上げたいと思い、カラーペンと色鉛筆で。また実験したいと思います。